「この商品、全部あわせてイチキュッパ!」
価格を告げる甲高い声が、テレビの方から聞こえてきます。
「イチキュッパ」とは198円、1980円、19800円のことです。
どうしてこんなキリの悪い数字になっているのでしょうか?
これには「端数価格効果」と呼ばれる心理学テクニックが使われています。
端数価格効果の意味とは?
端数価格効果とは、価格をキリの悪い数字にすることで、オトク感が出る!という効果です。
例えば、商品の価格を「2000円」にするのではなく「1980円」にします。
するとその価格を見た人は「20円も安くなってる!!」と感動します。
その感動は20円の安さ以上の感動になります。
逆に「2500円」の価値がある商品を「2020円」にします。
するとお客さんは「480円も安くなってる!!」と思うより「20円高くなってるじゃん!」と嫌な気分になるらしいです。
どうして端数価格効果が生まれるのか?その原因を考える
なぜ端数価格効果が生まれるのでしょうか?
その理由は、中途半端な値段から、「特別な価値」と「売り手の頑張り」を感じるからです。
ぴったり「5000円」の商品を見ると、「ピッタリ5000円っておかしくない?本当は4800円くらいなのに増やしてない?」と勘ぐってしまいます。
逆に「4980円」の商品を見ると、「商品の中身だけでなく値段のレベルでしっかりと考えて追求してるなぁ~よく出来た商品だ!」と高評価を得やすくなるのです。
そして「値段を追求してるこの売り手はすごいなー信頼できる!」と思い、売り手への信頼感にも繋がる、というわけ。
ちょっと中途半端になっているだけで、ここまで見た人の印象は変わるんですね。
勝手にオトクだと勘違いしてしまうこの効果、私たちはどうやって対応すればいいでしょうか?
中途半端な値段を見たときは、あせらずにちょっと増やしてみよう!
「1980円」などの中途半端な値段を見たときはすぐに「オトクじゃん!」と決めつけないようにしましょう。
そして一度冷静になって、頭のなかで40円ほどプラスしてはどうでしょうか?
頭のなかで、
「1980円」のものを「2020円」にします。
「19800円」のものを「20200円」にします。
こうすれば冷静に判断できるようになって、そこまでオトクではなかったことに気づけるでしょう。
記事のまとめ:中途半端な価格を活用した心理テクニック「端数価格効果」、その対策は?
今回は、「端数価格効果」を紹介しました。
色んなところでイチキュッパの商品を見かけるのは、見た人がオトクだと思ってしまう強力な効果があったからなんですね。
今度イチキュッパを見かけたときは、すぐに「安い!」と思わずに頭のなかでちょっと価格を増やしてみましょう。
あっという間にオトクではなくなるかもしれませんよ。